トリマーエプロンを選ぶ基準は、①毛がつきにくい表面 ②撥水 ③動きやすい丈と可動域 ④洗濯に耐える縫製 ⑤サロンの世界観、の5つです。とくに素材は「毛がつかない」ではなく「毛がつきにくい」で選ぶのが正しく、ここを取り違えると買い直しになります。
この記事を書いているのは、東京・南青山のエプロン専門店エレワーク(株式会社エレグランス)です。2009年の創業から製作実績は2,400件を超えました。実際にトリミングサロン様へ納めてきた経験と、自社で行った撥水実験をもとにしています。
最初に、いちばん大事なことをお伝えします。犬猫の毛が「まったくつかない」エプロンはありません。
「毛がつかない エプロン」で探されている方は多いのですが、繊維である以上、毛は必ず付きます。正確には「つきにくい」「払えば落ちる」です。ここを誤解したまま買うと、「宣伝と違う」と感じて買い替えることになります。
では何が違うのか。付いた毛が「表面に乗るだけ」か「繊維に絡んで刺さる」かです。
| 毛のつきかた | 生地の特徴 | 手入れ |
|---|---|---|
| 絡んで刺さる | 起毛している/織りが甘く目が粗い/フリース・スウェット・ネル | 粘着ローラーでも取り切れず、洗濯機でも残る |
| 表面に乗るだけ | 表面が平滑で目が詰まっている/ポリエステル高密度・ツイル・帆布 | 手で払う、ローラーを1往復で落ちる |
つまり、選ぶべきは「表面が平らで、織りが詰まった生地」です。ツルツル・シャカシャカした手ざわりのものが毛を拾いにくいのは、毛が引っかかる凹凸が少ないためです。
もうひとつの要因が静電気です。乾燥する季節、化学繊維は帯電しやすく、帯電したエプロンは毛を吸い寄せます。とくに冬場、「同じエプロンなのに急に毛だらけになる」のはこれが原因です。
対策は3つあります。
トリマーエプロンの説明で、「撥水」と「防水」が混同されていることがよくあります。作業内容によっては、この違いが選択を分けます。
| 撥水(はっすい) | 防水 | |
|---|---|---|
| しくみ | 生地の表面で水を弾く。生地自体は呼吸する | 生地の裏に膜を貼る/ビニールなど水を通さない素材 |
| 水への強さ | 弾くが、水圧がかかり続けると通る | 通さない |
| 通気性 | ある(蒸れにくい) | ない(蒸れる) |
| 着心地 | 布のまま。柔らかい | 硬い・ごわつく・音がする |
| 耐久 | 洗濯で徐々に落ちる(回復可) | 膜の剥離・ひび割れで寿命 |
| 向く作業 | カット・ブロー・保定・接客 | シャンプー専任・水を浴び続ける |
一日中シャンプー台に立つ体制でなければ、撥水で十分というのが、納品してきた実感です。防水は確かに水を通しませんが、通気しないぶん中が蒸れます。ドライヤーの熱と犬の体温で、夏場のトリミングルームはかなりの温度になります。そこで通気しないエプロンを一日着るのは、想像以上につらいものです。
また、防水素材はたたむと折り目に負荷がかかり、そこから膜が割れて剥がれます。「防水のほうが上位」ではなく、作業内容で選び分けるものだとお考えください。
言葉だけでは分かりにくいので、弊社で実際に水をかけて確かめた記事があります。生地の上で水が玉になって転がる様子を撮影しています。
撥水は洗濯で少しずつ落ちますが、乾燥機の低温か、あて布をしてアイロンの中温をかけると回復します。撥水剤は熱で再配列するためです。「撥水が落ちた=寿命」ではありませんので、捨てる前に一度試してみてください。
前述のとおり、表面が平滑で織りの詰まった生地を選びます。ポリエステル高密度、ポリエステル×綿のツイル、帆布などが候補です。起毛素材やワッフル、リネンの粗い平織りは避けてください。風合いは良いのですが、毛が絡みます。
色も効きます。白い犬が多いサロンで濃紺、黒い犬が多いサロンで白を選ぶと、毛が目立ちます。中間色(グレー・チャコール・カーキ・ベージュ)は、どちらの毛も比較的目立ちません。おしゃれに見せたい気持ちと、毛が目立たないことは両立します。差し色や刺繍で個性を出せば、生地は落ち着いた色で構いません。
シャンプー剤・トリートメント・消毒液は、水よりも色と匂いが残ります。撥水があると、かかった瞬間に弾いて拭き取れるため、シミになりにくくなります。防汚(SR)加工が併せて入っていると、洗濯で落ちやすくなります。
トリマーの動きは、しゃがむ・かがむ・腕を上げる・体をひねるの連続です。ここで丈と身幅が合っていないと、一日で疲れが変わります。
トリミングサロンのエプロンは、ほぼ毎日洗います。年間250回以上です。ここで差が出るのが縫製です。
価格が近い商品でも、この3点で寿命は倍近く変わります。
ハサミ・コーム・スリッカー・ダッカール(ヘアクリップ)・おやつ。トリマーの持ち物は多く、しかも片手で出し入れすることになります。
撥水・毛がつきにくい・道具が入る、の3点を優先します。接客の時間が短いため、機能を優先して問題ありません。汚れが目立ちにくい中間色が扱いやすいです。
お客様と接する時間が長い業態です。清潔感と、店の世界観に合っているかが効いてきます。作業着に見えるエプロンは、物販の接客では不利になります。ロゴを入れる、差し色を店舗カラーに合わせる、といった見せ方が生きるのはこちらです。
お客様のご自宅に上がる仕事です。訪問先で「きちんとした人が来た」と伝わることが最優先になります。ロゴ刺繍入りのエプロンは、名刺の代わりになります。持ち運ぶため、畳んでシワにならない素材(ポリエステル系)を選んでください。
病院の制服と並んだときに浮かないことが要件になります。院内の色に合わせ、衛生的に見える形(胸当てあり・丈長め)が向きます。
正直に申し上げると、1〜2人のサロンで、機能だけを求めるなら既製品で足ります。市販のトリマーエプロンにも、撥水で毛がつきにくいものはあります。
オリジナルにする価値が出るのは、次のような場合です。
| こんなとき | 理由 |
|---|---|
| スタッフが3人以上いる | そろっていること自体が、店の印象を大きく変えます |
| お客様と接する時間が長い | ロゴが入っているだけで、覚えていただけます |
| 既製品でサイズが合わない | 小柄な方・長身の方は、丈と肩紐が合わず一日中直すことになります |
| 入れたい道具が決まっている | ポケットの数・仕切り・位置を、使う道具に合わせられます |
| SNSや店舗写真に写る | スタッフの装いは、そのまま店の世界観の写真になります。おしゃれなエプロンは、それ自体が投稿の素材になります |
逆にお一人で開業されたばかりなら、既製品を1年使ってから作られることをおすすめします。使う道具が固まっていない段階では、仕様を決めきれません。1年使って初めて「ポケットはここ」「丈はもう5cm短く」が分かります。
オリジナルにする際、いちばんご要望が多いのが名入れとロゴ刺繍です。
| 刺繍 | プリント | |
|---|---|---|
| 見え方 | 糸に厚みが出て立体的。高級感がある | 平面。写真やグラデーションを再現できる |
| 耐久 | 洗濯に強い。剥がれない | 回数を重ねるとひび割れ・色落ちする |
| 細かい表現 | 細い線や小さな文字は苦手 | 得意 |
| 向くもの | 店名・ロゴマーク・スタッフ名 | 写真・イラスト・多色のデザイン |
毎日洗うトリマーエプロンでは、刺繍をおすすめしています。プリントは洗濯回数に負けます。
版代は初回だけです。2回目以降の追加発注では、同じロゴなら版代はかかりません。スタッフが増えるたびに1枚ずつ足していく運用ができます。
エプロンをユニフォームとして運用する場合、1枚のデザイン以上に、運用の設計が効いてきます。
70種類以上の定型デザインから選び、カラー・素材・刺繍をお店に合わせて組む方式です。型から起こさないぶん、費用と納期を抑えられます。
| 枚数 | 単価(税抜・刺繍別途) |
|---|---|
| 1枚 | ¥19,800 |
| 2枚〜 | ¥16,500 |
| 5枚〜 | ¥11,000 |
| 10枚〜 | ¥9,350 |
| 20枚〜 | ¥8,250 |
| 30枚〜 | 別途お見積り |
納期は最短6週間(生産に約1.5ヶ月)です。開店やリニューアルに合わせる場合は、2ヶ月前にはご相談ください。
ゼロから設計して量産する方式です。100枚〜(日本製)¥5,000/枚〜・納期約5ヶ月、初期費用 ¥100,000(税別)。多店舗展開されているサロン様、フランチャイズ本部様向けです。
日本テレビ「相葉マナブ」にて、相葉雅紀さんにご着用いただいたオリジナルトリミングエプロンを製作いたしました。毛がつきにくい生地を使用しています。




撥水仕様で毛が付きにくい生地を使用したオリジナルエプロンです。サロンの世界観に合わせた配色でお作りしました。

そのほかの事例は 制作事例 と サロン様の事例一覧 をご覧ください。
作れます。セミオーダーは1枚から承っております。開業前におひとりで、という方も多くいらっしゃいます。
ありません。繊維である以上、毛は付きます。ただし表面が平滑で織りの詰まった生地を選べば、手で払うか粘着ローラーを1往復させる程度で落ちます。「つかない」ではなく「残らない」を目指すのが現実的です。
少しずつ落ちます。ただし低温の乾燥機、またはあて布をして中温のアイロンをかけると回復します。撥水剤が熱で並び直すためです。
ご相談ください。ただしシャンプー専任でなければ、通気する撥水のほうが一日を通して快適です。作業内容を伺って、どちらが向くかご提案いたします。
お作りできます。厚みがあり、ダッカールを差しても布が負けにくい素材です。
変えられます。同じデザインのまま、丈と身幅を人に合わせて調整いたします。
お手元にある名刺や看板の写真からでもご相談いただけます。文字だけの店名であれば、版代なしの文字刺繍でお作りできます。
同じ仕様で追加製作できます。ロゴの版は保管しておりますので、2回目以降の版代はかかりません。
最短6週間ですが、色や仕様を決める時間を含めると2ヶ月前のご相談が安心です。
最新の制作例は公式Instagramで公開中 →